〒790-8570 愛媛県松山市一番町四丁目4番地2
獣医学部 ・学科がある大学は全国に16校あり、 そのうち 西日本には5校のみで四国にはない状況の中、業界団体や既存大学等の抵抗が根強く、昭和41年以降全国で新設が認 められてこなかったが、来年4月、今治市に開設されることが決定した。
今治市は、広島県と共に、国際教育拠点の整備を始め、観光・教育・創業など多くの分野でのイノベーションの創出を図るため、昨年1月、四国で初となる国家戦略特別区域に指定された。その後、内閣府や県の助言を得ながら、関係者が一丸となって、粘り強く規制緩和への道を切り開いてきた。
今回の大学獣医学部の誕生により、今治市に多くの若者が集まり、活気が生まれ、街ににぎわいが戻ることだけでなく、産業動物診療など公共の現場で不足する獣医師の安定確保やレベルアップの面で、県内全域、ひいては四国全域にもメリットが及ぶと考える。また、新しい獣医学部のコンセプトの下、多くの獣医師の卵が愛媛・今治で学び、鳥インフルエンザや口蹄疫など国境を越える家畜伝染病や人獣共通感染症対策に対応できる国際的な視野を持った公務員獣医師や創薬等のライフサイエンス分野の研究者などとして活躍することを期待する。
特に、人口減少問題を抱える本県では、多くの地元高校生が進学を機に県外へ転出し、卒業後も地元に戻ってこないという厳しい現実に直面する中、地元の志高い高校生がこの獣医学部に進学し、卒業後も引き続き地元で獣医師として活躍できる環境が整えられることは、この上ない喜びであり、開設に向けて全力で応援したい。
4月の大学獣医学部の開学に向けて、今治市を中心に鋭意様々な取組みが進められていると聞く。
四国中央市、新居浜市及び西条市からなる東予東部圏域は、製造品出荷額2兆円余りで本県全体の5割以上を産出する四国随一のものづくり産業の集積地である。地域ごとに見ると、法皇山脈が育んだ銅山川に建設されたダムの恩恵により、伊予の紙どころとして発展した日本一の紙の産地である四国中央市、住友グループ発祥の地で、中小機械産業群の層の厚い新居浜市、豊富な水資源を生かした食品産業や電気・電子産業、世界最先端の素材産業などを擁する西条市といった特色があり、自然と歴史に根差した多彩な産業が、愛媛はもとより、日本の経済成長を支えてきたと言っても過言ではない。
しかし、少子高齢化の進行は東予東部圏域にも暗い影を落とし、産業の担い手不足は深刻な状況にある。優秀な技能を持った技術者の引退が相次ぐ一方、進学や就職を機に若者の県外流出が続いており、足元の人手不足感はもとより、地域産業の発展の中核となる人材をどう確保するかが重要かつ喫緊の課題となっている。このため、県では、東予東部圏域を始めとした企業の魅力や技術力を県内外の若者に認識してもらうため、ものづくり企業の職場見学会や中高生向けのスゴ技企業紹介冊子の作成、合同会社説明会の開催など、人材確保に向けた様々な取組みを精力的に展開している。
こうした企業の魅力発信と併せて、「ここで暮らしたい」と思われるように、地域そのものの魅力を発信し、地域のブランドカを高めていくことも重要である。この地域は、西日本最高峰の石鎚山を始め、赤石山系、赤星山や翠波峰など魅力的な山が連なる法皇山脈等の豊かな自然に恵まれており、食についても、シャコやワタリガニ等の海の幸、四国中央市の新宮茶や里芋、西条市の野菜・果物などの山の幸、豊かな水を生かした地酒等の優れた素材がある。近年では、マイントピア別子を始めとする観光産業も拡充されつつある。今こそ、東予東部圏域に眠る地域資源を掘り起こし、磨き上げ、その多彩な魅力を県内外に発信し、住んでも訪れても魅力のある街として認知度を高めていく必要がある。
こうした中、県は東予東部圏域の3市長から同圏域振興イベ ント開催の強い要望を受け、地元と連携して平成31年度の開催に向けて動き出したことを心強く感じる。
大型の広域イベントが地域活性化の起爆剤となることは、瀬戸内しまのわ2014や、えひめいやしの南予博2016の成果を見ると明らかであり、東予東部圏域のイベントも地域の発展に寄与することを期待する。
あるシンクタンクによると、日本経済は米国トランプ政権に関する不透明感の高まりによる不安要素があるものの、緩やかに回復しており、今後も引き続き同様の傾向が続くと予想されている。自民党の政権復帰以降、安倍総理が長引くデフレや内需縮小などの難題に対して、いわゆる「三本の矢」と、それに続く「新三本の矢」を掲げて矢継ぎ早に景気対策を実施し、日本経済の再生に取り組んだ結果、2倍を超える株価の上昇や過去最高水準の企業業績につながるなど、着実に成果を上げている。
このような中、国内における企業の設備投資は増加しており、中小企業が多い本県でも同様の傾向が見られている。県内調査会社の調査では、今年度、本県立地企業が県内で行う投資総額は昨年度を上回り、特に製造業では約6割の企業が何らかの設備投資を行う見込みであり、この状況は本県で新たな雇用を生み出す絶好の機会となるほか、地方創生の流れにもつながるものと心強く思う。
一方、超少子高齢化社会を迎える中、地方では人口減少に伴う地域経済の衰退に危機感を持っており、地域経済の発展と人口減少対策の一つの手段として企業誘致を強力に進めている。今後、地方間での誘致競争はますます激しくなり、特に、県内立地企業が県外へ流出する危険性もあることに不安を感じる。
本県が将来にわたり生活水準や人口を維持するためには、若者が働きたいと思える企業の誘致に加え、県内立地企業が県外へ流出しないよう、優秀な人材の確保を始め、新たな投資及び拠点化の取組みに対する支援や事業用地の確保など、留置対策を講じる必要がある。
安倍総理は今国会の施政方針演説で、一億総活躍の国創りに向けた最大のチャレンジとして、一人ひとりの事情に応じた多様で柔軟な働き方を可能とする働き方改革を掲げた。また、女性の活躍について、出産などを機に離職した人の再就職等への支援を抜本的に拡充するとともに、成長と分配の好循環を創るため保育や介護と仕事の両立を図ると明言した。
この働き方改革の目的は、人口減少・少子高齢化社会において、労働力人口が減少し、働き手が多様化する中で、誰もが能力を最大限に発揮できる環境を整備するとともに、企業の生産性を高め、地域の活力向上につなげることであると認識 している。働き方改革のトップランナーである本県出身のIT関連企業社長は、働き方改革には制度、ツール、風土の三つの要素が必要であると述べている。重要なのは職場風土づくりであり、企業や団体のトップの強い意思表示が第一に求められている。
今年1月、知事は、「職員の仕事と家庭生活、地域活動などの両立を支援しながら、組織としての成果も出し、自らも仕事と私生活をまるごと楽しむ愛媛のイクボス『ひめボス』となり、さらにその取組みを県内企業や団体等にも広げて、愛媛の活性化を目指す」という「ひめボス」宣言をした。また、先月15日には県と市町が合同で宣言を行い、県内自治体が連携して発信することで「ひめボス」宣言を県内事業所へ波及させるひめボス推進キャンペーンを展開していると聞く。
本県では、企業の99%以上を中小企業が占めているが、トップの判断で職場環境を変えることができるという中小企業ならではの利点を生かし、トップが率先して新しい働き方を実践することで社会を変えてほしい。
また、中小企業等では慢性的な人材不足となっている一方、女性の労働力率は結婚や出産を機に離職するいわゆるM字カーブが解消されておらず、女性が働き続けることができる環境づくりや長時間労働の見直しなどの働き方改革は、人材確保の観点から企業の経営戦略にもなり得ると思う。
昨年4月、従業員301人以上の企業に対して女性活躍の事業主行動計画の策定公表を義務付ける、いわゆる女性活躍推進法が施行され、大企業を中心に女性活躍の取組みが進みつつあるが、中小企業等でも女性活躍と働き方改革を複合的に推進することにより、地域人材の確保や経済の活性化にもつながると考える。
平成27年12月に施行された改正航空法で無人航空機であるドロー ンの定義や飛行ルールが定められ、ドローンの利用が拡大している。例えば、電力会社における設備点検やケーブル敷設、警備会社における不審者の発見等の防犯対策など、様々なビジネスでドローンが活用されている。
また、本県でも国家戦略特別区域の指定を受けた今治市で、昨年10月に離島での物資輸送を想定したドローンによる荷物の宅配実証実験が行われ、高齢化が進む島しょ部住民を支援する取組みの実用化に向けて、現在も実験
が続けられている。
特に、土木分野においては、既に大規模災害時等の調査でドローンが有効活用されている。昨年10月に国土地理院を視察し、ドローン等の最新技術を活用した防災対策の推進状況を調査した。27年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊し甚大な被害が発生したが、同院では鬼怒川に職員を派遣し、決壊から僅か4時間後にドロー ンを飛行させて決壊箇所やいっ水の状況を撮影するなど被災状況の把握や応急活動に必要な情報を収集し、関係機関に速やかに提供することで早期の復旧につながった。また、熊本地震でも調査が困難な危険箇所等で、ドローンを活用して被災状況を迅速かつ安全に把握し、応急対策の立案に活用するなど、災害現場での有効性が確認されたところである。
このようにコンパクトでありながら様々な可能性を秘めたドローンは、今後、災害現場だけでなく、公共測量での利用や施工での活用など、ますます活躍の場が広がると考える。
人身安全関連事案は、生命・身体への危害はもとより、社会生活の安全・安心を脅かす卑劣な犯罪であり、最近では、昨年5月に東京都で芸能活動をしていた女子大学生が、SNS等への書き込みを繰り返していた男に刃物で刺される事件が発生し、社会的な注目を集めた。
この種の事案は、加害者の被害者に対する執着心や支配意識が非常に強い場合が多く、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがあり、危険性の判断を迅速かつ的確に行い、犯人の早期検挙や迅速かつ継続的な被害者の保護活動を行う必要がある。
このような中、昨年12月にストーカー規制法が改正され、SNS等で連続してコメントを送る行為が新たに規制されたほか、県警では、平成27年度以降、順次警察官を増員してこの種の事案への即応体制の強化を図っていると聞く。体制の強化と的確な対応が県民の安全・安心の確保につながっていると考える。
県警には、県福祉総合支援センター等の関係機関・団体との連携にも配意し、今後も引き続き被害の未然防止と被害者保護対策にしつかりと取り組んでほしい。
人口減少に関わる課題には、長期的な視点からあらゆる手段で総合的に取り組み、有効な政策を迅速に実施しなければならない。
平成24年8月に子ども・子育て関連3法が成立し、全ての子ども・子育て家庭を対象に幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援の質と量の拡充を図るための新制度が、本年4月からスタートした。
県では、実情に即した効果的かつ実効性のある対策を更に強化し、妊娠・出産・子育ての「切れ目ない支援」を総合的に推進する第2期えひめ・未来・子育てプランを本年3月に策定し、地域少子化対策強化交付金を活用した支援や県単独医療費助成事業など子育て支援に積極的に取り組んでいる。
このような中、「子育て支援日本一の県 愛顔えひめ」の提唱を提案したい。地方は、それぞれ独自の課題を抱え、置かれている環境も文化も異なるため、子育て支援には全国画一的な対策に加え、他県にはない制度、本県ならではの制度が重要であり、円滑な施策の推進のためにも県民に対して分かりやすいビジョンの提示が必要不可欠である。
具体的には、県内の義務教育課程の児童生徒に対する医療費無料化で、四国中央市では本年10月より実施が予定されている。本来は、国の責任で実施すべきであるが、国が実施するまでの間だけでも市町と県が連携して実施してほしい。
また、四国中央市では既に実施されている1歳までの子どもに対する紙おむつの無料配布も実施してほしい。紙おむつは全て本県産であり、経済効果の点からも有効である。しかし、これらの事業を含め、更なる子育て施策の推進には財源が必要となる。
(1)第2期えひめ・未来・子育てプランにより、愛媛の将来像をどう見据えているのか。
また、「子育て日本一の県 愛顔えひめ」を提唱してはどうか。
(2)更なる子育て支援施策の推進に必要な財源を、今後どう確保していくのか。
子育て支援施策の推進のために、県民全体で子どもを育むことをコンセプトにした
県民税均等割上乗せ課税方式による、県民一人当たり年500円程度のえひめ子育
て応援税(仮称)を導入してはどうかと考える。
義務教育課程の医療費無料化、紙おむつの無料配布の実施について併せて問う
中国は、歴史的にも地理的にも日本とは密接な関係にある隣国であり、県でも大連市や遼寧省等と経済交流など幅広い分野で交流に取り組んでいる。
本年5月に、自治体や観光業界などで構成された日中観光文化交流団が北京を訪れた際には、習近平国家主席が「両国関係の発展が順調でない時ほど、両国各界の人々が積極的に行動する必要があり、双方が民間交流を強化し、両国関係の改善と発展のために条件と環境を整える必要がある」と交流促進を訴えたと聞く。国家間の関係が順調でない時こそ、両国の自治体や民間による交流の積み重ねが重要である。
先月、広域観光周遊ルートとして、「せとうち・海の道」と「スピリチュアルな島~四国遍路~」の二つが国の認定を受けた。特に四国遍路をテーマとしたルートについては、弘法大師空海との縁を生かして中国との交流を更に深め、様々な分野での交流へと拡大させることで、愛媛、四国の知名度向上につながり、交流人口の増加にも結び付くものと期待する。
また、県はこれまで西安市や陝西省との友好交流関係の構築に取り組み、特に陝西省とは平成25年に覚書を締結し、交流の発展に向けて協議を続けていることから一層の交流促進につなげてほしい。
平成22年の農林業センサスによると、県内の田畑や樹園地における耕作放棄地面積は、農業経営の悪化による離農や高齢化などに伴い、1万416haに増加し、その割合は21.9%で全国ワースト5位になるなど本県農業の将来に不安を抱く状況となっている。
また、販売農家の耕作放棄地面積は、県全体では3,476haで、前回調査に比べ5%程度の増加にとどまったが、樹園地においては2,157haで272haも増加し、全体の6割以上を占めている。本県の樹園地は急しゅんな傾斜地に多く、生産者の高齢化・担い手不足により、条件の悪い園地から順に耕作放棄されている。
一方、本県における昨年度の自営新規就農者は181人であり、そのうち40歳未満の自営新規就農者は126人で、23年度の52人からすると倍増しており、本県農業にとって明るい環境が芽生えている。中でも、果樹栽培に取り組む新規就農者が97人と最も多いことから、今後の果樹農業の支えとなる人材になることを期待する。
このような中、政府は農業の成長産業化を目指すため、25年に農林水産業・地域の活力創造プランを策定し、担い手への農地集積割合を現状の5割から10年間で8割にまで高めることを目標に、各都道府県に農地中間管理機構を整備し、昨年度から農地集積に取り組んでいる。本県では、その機能をえひめ農林漁業振興機構が担い、体制を強化して農地中間管理事業を展開している。しかし、事業初年度である昨年度は全国的に農地の流動化に苦労しており、特にみかん生産県では樹園地が急傾斜地に点在するため、水田の農地流動化以上に苦労していると聞く。
本年1月に、愛媛、山口両県沖の瀬戸内海で潜水器具を使って密漁したとして、松山海上保安部は、松山市、松前町の漁業関係者16人を漁業法及び水産資源保護法違反の疑いで逮捕、送検したとの新聞報道があった。
平成18年に北海道室蘭港沖において宮窪町漁協の漁業者などがナマコの潜水器密漁により逮捕、送検されたことを受けて、水産庁は20年にナマコやウニなどの密漁を防止するため、無許可操業の罰則を懲役6か月から3年に、罰金10万円から200万円に強化した。しかし、漁業関係者は「まだ罰則が甘い」と口をそろえる。
特に問題としているのは、善良な漁業者が目先の利益にとらわれず、時間をかけて育ててきた資源を、密漁者が根こそぎ奪い、漁業者の生計を脅かしていることである。
密漁者はアワビ、ナマコ、サザエなどの海産物が豊富な島々の周辺海域に出没し、何かあれば一般的な小型船舶の約8倍の120馬力の高速エンジンを搭載した船舶で逃げ去るなど、用意周到で悪質な窃盗行為を行う。
このことは、愛媛、山口両県の入漁協議にも影響を与え、今年度の合意が4月にずれ込み、入漁空白期間が生じた。愛媛側の対策次第では来年度の入漁協議も難航するのではないかと懸念する。
この密漁対策について、他県の状況を見ると、香川県と岡山県は14年に海上保安部とともに対策会議を発足させ、両県の取締職員が同じ船に乗船し、自県の海域を取り締まる「漁業違反取締りに関する確認書」を交わした。このことにより両県海域での取締活動を可能にしたことで、潜水器密漁船がピーク時の40隻以上から、現在は数隻にまで激減したとのことである。本県においても、まじめに努力する人が報われる漁場を作るために他県や海上保安部との連携強化が必要である。
現在、世界は情報通信技術の進展等を背景に、人・モノ・金・情報や文化、価値観が国境を越えて流動化している。中国主導のアジアインフラ投資銀行の設立を例に挙げると、アジア太平洋地域における主導権争いが激しくなるなど国際競争は激化している。しかし、このような状況はビジネスチャンスが拡大しているとも考えることができる。
このため、本県としてもグローバル社会の中で更に発展していくためには、海外と積極的に関わり、外国人と堂々と渡り合うことができる人材、すなわち「グローバル人材」の育成を図ることが喫緊の課題となっている。
グローバル人材が備えるべき資質としては、我が国の歴史や文化、伝統に対する理解と幅広い国際的視野、環境問題の解決や国際平和の実現など全世界的な課題に対する関心と深い教養、加えてコミュニケーション能力や問題解決能力などが挙げられる。このような資質を持った人材を育成するには、大学教育が大切であるが、一定の知識教養等の基礎を備えた高等学校段階においても、取組みを一層推進していく必要がある。
このような中、国は、「東南アジア青年の船」事業として日本と東南アジア諸国の青年が各種交流活動を行い、国際協調の精神のかん養と国際協力における実践力の向上を図り、国際化の進展する社会の各分野でリーダーシップを発揮することができる青年の育成に取り組んでいる。また、グローバル人材育成推進事業や官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」などの補助金制度も実施している。
本県においては、平成17年以降10年連続で交通事故発生件数及び負傷者数が共に減少するなどの成果を挙げている。一方、交通事故死者数は一昨年が70人、昨年が75人と2年連続で増加している状況にある。
県民総ぐるみ運動の基本方針では、「交通死亡事故抑止アンダー50」の達成に向けた交通安全対策の推進が掲げられている。統計によると、交通事故死者数が年間50人を下回ったのは、昭和22年の49人にまで遡るが、平成24年には56人にまで減少しており、「アンダー50」は今後の取組み次第で達成可能と思う。
このような中、昨年の県内における交通事故死者数の約6割が65歳以上の高齢者で、本年も高齢者の割合が高い状況が続いていると聞く。また、警察庁では、交通事故死者数が減少しにくい要因の一つとして高齢者人口の増加を挙げており、本県においても高齢者が被害者となる交通事故が減少しにくい状況が続くと懸念される。
今後も、高齢者に着目した対策を始め交通事故対策を強力に推進し、特に尊い命が失われる交通死亡事故を1件でも少なくするため、関係機関・団体の更なる取組みを期待するが、中でも警察の果たすべき役割は大きい。
また、本年6月1日に改正道路交通法が施行され、信号無視など危険な違反行為を繰り返した自転車利用者に新たに講習の受講を義務付ける「自転車運転者講習制度」が開始された。自転車先進県を自負する本県では、画期的な取組みとして今年度から全県立高校において自転車通学時のヘルメット着用が制度化されるなど、自転車の安全利用の機運も高まっている。
しかし、自転車が関係する交通事故の状況を見ると、本県の発生件数は年々減少傾向にあるが、昨年は全事故の約2割を占める約1,000件が発生している。また、自転車利用時の交通事故により、昨年は13人、本年も5月末現在で7人が死亡しており、憂慮すべき状況となっている。
県警には、自転車が関係する交通事故を減少させるため、自転車運転者講習制度を県民に対し広く周知し、自転車利用者の交通ルール遵守と自転車の安全利用の促進を願う。
(1)県警は、交通死亡事故抑止に向けてどう取り組んでいくのか。]
(2)自転車利用者に対する自転車運転者講習制度の周知策と交通事故の減少のための
今後の 取組みはどうか。
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